2021年度 公開研究会

 

「ウィズ・アフターコロナの景観ビジョンとアプローチ」

 

主催:日本建築学会都市計画委員会グローカル景観デザイン小委員会

日時:2021年2月21日(月)18:30~20:30

会場:オンライン開催(Zoom)

URL:https://www.aij.or.jp/jpn/symposium/2021/20220221_i010.pdf

 

 

■趣旨

 景観や都市デザインをめぐる状況は、グローバルとローカルの境界を越えて、再生可能エネルギーの導入や環境保全の広がり、相次ぐ自然災害に対応できるレジリエンスな地域づくり、そしてコロナ禍による人々のコミュニケーションとライフスタイルの変化等、未だかつて経験したことのない状況へと大きく変化しつつある。本小委員会は、急変するこれらの状況を踏まえた景観施策の枠組みについて、研究、課題抽出、提言することを目的に研究に取り組み、①アフターコロナ、②再生可能エネルギーの普及・環境保全、③災害に対するレジリエンスという3つのテーマを切り口に、グローカルに今起きている現象の把握・整理を進めている。

 今回の研究会は、①アフターコロナに着目して公開で議論を進める。登壇者から海外の都市政策の事例を紹介いただき、コロナ禍での海外の景観変容と日本での景観変容を考察し、今後の景観政策の見直しに向けた課題の整理を行なう。グローカルな視点からウィズ・アフターコロナの景観ビジョンとアプローチについて、議論を深めたい。

 

■プログラム

18:30-18:35 本研究会の進め方:栗山尚子(司会、神戸大学准教授)

18:35-18:40 主旨説明:志村秀明(芝浦工業大学教授)

18:40-19:40 登壇者による海外の事例説明

①樋渡彩(近畿大学工学部、講師)

「イタリアの景観政策の広がり――チェントロストリコからテリトーリオへ」

②村上迅(シンガポール工科・デザイン大学、Assistant Professor)

「シンガポール、東南アジアの都市政策(仮)」

③阿部大輔(龍谷大学政策学部、教授)

「変容する景観の「地模様」:海外諸都市の取り組みから」

19:40-19:45 休憩

19:45-20:25 ディスカッション 

20:25-20:30 まとめ:栗山尚子(前掲)

 

■開催結果(概要)

ウィズ・アフターコロナの景観ビジョンとアプローチと題し、公開研究会を実施しました。

43名の参加があり、主旨説明、3名の登壇者による事例説明、質疑応答、まとめを行ないました。

海外の事例に着目することで、現時点での国内での議論不足の点が明らかになりました。

世界レベルでのフローの変化の影響を日本がどう受けているか、変化に対応しやすい土地利用や空間の使いこなし、近場志向、逆に近くはないが愛着を持てる土地への関心の高まり、一次産業(農業)を維持しつつ新規産業を迎え入れるところに新しい景観が生まれる等の新たな視点が得られました。

今回得られた視点を取り入れ、今後の小委員会活動での研究・議論をさらに発展させていく予定です。